転職自体は可能
現在、一般病棟で働いている看護師がNICUやGCUに転職できるのでしょうか。結論からいえば、一般病棟から転職することは可能です。ただし、一から学ぶ姿勢を持って臨まなければなりません。病院によっては即戦力の看護師を求めているケースもあります。小児看護やICUを経験している看護師を優先的に採用することも少なくないので、狭き門であることは確かです。比較的規模が大きい病院だと、転職ではなく異動で看護師を補充するケースもあります。NICUやGCUに転職するのであれば、臨床経験は3年以上積んでいた方がいいでしょう。新生児医療に近い分野の経験がある場合は、積極的にアピールしてください。
病院の規模を確認
NICUやGCUは、病院によって対応している症例や患者数が異なります。総合周産期母子医療センター以外は最低病床数が定められていないので、すぐに満床になるケースも少なくありません。規模が小さい場合、学べる症例や診療の対応にも制限があります。そのため、NICUやGCUに転職する際は、事前に病院のホームページで病床数を確認する必要があります。年間の入院件数や参加病棟の有無、院内出産からの入院件数、他院からの受け入れ件数などを細かくチェックしてください。比較的規模が大きく積極的に受け入れを行っている病院は、新生児医療について幅広く学べる環境が整っています。
そもそも数が少ない
NICUやGCUを設置している病院はそれほど多くありません。2023年10月時点の新生児認定施設数は、関東に限っていえば東京は40施設、神奈川は24施設、千葉は15施設、埼玉は12施設です。地域によって差があるので、住んでいる場所によっては転居が必要になるかもしれません。その場合、より慎重に転職活動を進める必要があります。
教育制度の充実度
教育制度の充実度も確認しておきましょう。NICUやGCUに入院する赤ちゃんは状態が不安定で、実施する治療や処置の内容は非常に細かくなります。看護師として、新たに覚えなければならない知識や技術もあるでしょう。仮に、教育制度がそれほど充実していない病院に転職した場合、人工呼吸器の扱いや吸引の手順について、「すでに知っているもの」として業務を任されるかもしれません。経験者であれば問題ありませんが、一般病棟から転職する場合は非常にシビアです。そのため、初めてNICUやGCUに転職する看護師は、中途採用向けの教育制度について必ず確認しておく必要があります。